筑波海軍航空隊慰霊の集いが6月25日、筑波海軍航空隊記念館(笠間市旭町)の慰霊碑前で開かれた。遺族代表ら約130人が献花に訪れた。
筑波海軍航空隊では、戦時下84人の若者が特攻隊に志願し60人が亡くなっている。
主催である筑波海軍航空隊友の会の会長で、自らも遺族の一人である松井方子さんは「若き英霊の方々は家族のため、国のために尊い命を懸けて戦い、今の平和な日本を築いてくれた。この平和を末永く享受していくために、慰霊の継承が必要だ」と話した。
戦時中神風特別攻撃隊第6筑波隊に所属していた柳井和臣さんは「この慰霊の集いが最前線で死力を尽くした戦友の思いに心を寄せ、偲(しの)ぶひとときとなれば」と手紙で慰霊の言葉を述べた。
笠間市の山口伸樹市長は「77年前ここに筑波海軍航空隊が存在したこと、そして隊員の皆さんが南方へ飛び立っていったこと。その歴史的な事実と背景をしっかり後世に伝えることが地元自治体としての責務だと思っている」と語った。
市立友部第二小学校6年の池田桃菜さんは「ロシアによるウクライナ侵攻で、何もしていない人たちが亡くなっている。私たちは悲惨で残酷な戦争を必要としていない」と平和への思いを述べた。
新型コロナウイルス拡大のため、昨年、一昨年と大幅に規模を縮小していたが、今年は以前と同様のプログラムで開催された。遺族代表や自治体関係者、一般参列者らが献花し、慰霊碑の前で平和を祈った。