水戸ホーリーホックが6月9日、SISファシリティ(水戸市見川町)で全カテゴリーのゴールキーパー(GK)による合同トレーニングを行った。
2023年から不定期に行っているという同トレーニングは今年で3回目。今回のテーマは「ゴールを守る」。この日は、トップチームの5人と、ジュニアからユースまでのアカデミーのキーパー14人が参加した。同チームによると、トップ選手との交流でクラブへの帰属意識を高め、目標までの具体的なビジョンを描いてもらう狙いがあるという。
ゴールキーパーコーチの河野高宏さんは、技術の向上とともに「水戸ホーリーホックファミリーの中で一体感を高める」ことを成果の狙いに挙げる。プレーを言葉にして伝えることを重視するとして、トップ選手が見本を見せながら指導した。練習では、自分のタイミングで跳べない場面でも相手の動きに反応して動く「リズム」を意識した内容を取り入れるほか、キーパーだけで組んだチームでのミニゲームなどを行った。
トップチームの西川幸之介選手は「せっかくの世代間を超えてコミュニケーションを取れる機会。(ユースやジュニアが)楽しくサッカーができるようにと意識した。キーパーはゴールを決めるスポーツの中で唯一ゴールを守るポジション。(キーパーには)自分の我(が)というか、気持ちを持ってほしい。ジュニアやユース世代で、盛り上げることや、声を出すというところがプロになってすごく大事だと思ったので、そういった声掛けをした」と話す。
若い世代の技術力について、「僕の同世代の頃よりもみんなうまくて体の動かし方がきれいなのが印象的」とも。「それぞれの特長を伸ばしてほしい」と期待を寄せる。自身が同じ世代だったころを「ビッグセーブに憧れ、とにかくボールに食らいついていた」と振り返り、「キーパーを目指す子どもたちは心からサッカーを楽しんでほしい」とエールを送る。
「幼いころにプロや年上の選手と練習する際は緊張した」と振り返る、トップチームの春名竜聖選手は「(合同トレーニングでは)技術を身につけるためにも、関係性を近づけないと言葉も入ってこないと思ったので、トップチームの自分たちからどんどん声をかけたりリアクションをしたりした。まずは楽しみながらコミュニケーションを取ることを意識した」と話す。
うまくセーブできた時には「ナイスキーパー」などポジティブな声かけを心がけたという春名選手。「子どもの一番は楽しむこと。ミスをしたらチームが負けてしまうなど、悲しいことも多いポジションだが、逆を言えば止めてヒーローになれるポジションで、チームを勝たせることができるポジション」とも。
「今は『失点したくない』、『ミスしたくない』という気持ちが一番に来てしまう時期だとは思うが、ポジティブなイメージを持てば自信を持ってプレーできる」とアドバイスする。自身をマイペースなので気にしすぎないタイプ、と評しながら「子どものころから何十年とサッカーをする中で絶対失点しない、ということはなかなかない。(失点したことを)うまく受けとめる必要はあるが『何十年のうちの一失点だ』と、試合が終わるまでは全部忘れて勝つことに集中し、反省は家でして次同じミスをしないようにする」と話す。
アカデミーからは、ジュニアの橋本一誠さん(小6)と海老澤紘平さん(小5)も参加。橋本さんは、憧れの松原修平選手から「まずはボールを払うところを意識せず、止めることから」と助言を受けたという。「毎回無失点の気持ちで試合に挑みたい」と意気込む。
海老澤さんは、トップ選手から「最初に失敗してしまったら、『何回もミスするからうまくなる』」と声をかけられたという。「プロのキックや声かけをまねして、次の練習から取り入れたい」と目を輝かせる。
河野さんは「ゴールキーパーは一つのファミリー。どんな時でも質問できる関係でありたい。みんなの夢を応援したい。プロを目指す財産にしてほしい」と笑顔を見せる。