茨城大学が新型コロナウイルス感染症拡大の影響で経済的困窮に陥っている学生を支援するために、緊急支援策「緊急支援パッケージ」を行うことを5月8日、発表した。
茨城大学は、2020年度春学期の授業開始日を4月30日に繰り下げ、原則として授業はオンラインで行うことにしている。5月18日現在、キャンパスへの立ち入りを禁止するほか、学生には課外活動などの自粛を要請している。
4月28日から30日にかけ、全学生に対して生活状況についての緊急調査を行った。調査の結果を受け、生活困窮学生の支援などの内容を盛り込んだ緊急支援パッケージを用意した。
茨城大学緊急支援パッケージは「緊急経済支援」と「学修支援・学生生活相談」の2本柱からなっている。
緊急経済支援は、200人の学生に5万円を支給する給付型奨学金と、15万円を上限として奨学金を貸与する貸与型奨学金がある。給付型奨学金は受け付けを終了しており、貸与型奨学金は現在準備中。新型コロナウイルス感染症の影響により家計が急変した大学院生や留学生に対する、授業料免除策や勤労の場の提供による経済支援策も準備している。
学修支援・学生生活相談として、遠隔授業環境が不十分な学生を対象としたノートパソコンを貸し出しと全ての学生を対象とした専門家によるメンタルサポートを実施する。5月31日までの受付期限を設け、大学4年生と大学院生を対象とした図書館資料の送付貸し出しの対応も行う。
茨城大学広報室の山崎一希さんは「卒業生をはじめたくさんの方から寄付を頂き、学生生活を続けてもらうための緊急支援のパッケージが用意できた。まだまだ不充分なところもあると思うが、引き続き学生の皆さんの声を聞きながらできる限りのサポートをしていく。困っていることがあったらいつでも相談してほしい」と呼び掛ける。