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アクアワールド大洗水族館、同じ親個体のシロワニ2回目の繁殖成功 日本初

5月10日に撮影されたシロワニの幼魚(個体番号:No.10)(写真提供=アクアワールド茨城県大洗水族館)

5月10日に撮影されたシロワニの幼魚(個体番号:No.10)(写真提供=アクアワールド茨城県大洗水族館)

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 アクアワールド茨城県大洗水族館(大洗町磯浜町)が5月7日、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されているサメの一種「シロワニ」の2例目の繁殖に成功した。同じ親の個体による2回目の繁殖成功で、日本初の快挙となる。

誕生直後の「シロワニ」幼魚の様子(写真提供=アクアワールド茨城県大洗水族館)

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 魚類展示課サメ飼育担当の徳永幸太郎さんによると、昨年10月から親魚の腹部が膨らみ始め、10月13日にはっきりと胎動を確認。状態を観察しながら、今年2月から本格的な観察を開始したという。2021年の出産を参考に、出産対応マニュアルを作成してチームと共有するほか、必要な資材や受け入れ水槽の準備を進めていたところ、予想より1カ月ほど早く出産の前兆が見られた。

 5月7日12時、親魚の総排泄孔から白濁した液体状の放出が始まり、約30分後の12時24分に出産した。徳永さんは「前回の出産が9時間ほどかかったことから、この短さには驚いたが、準備していたため、皆落ち着いて取り組むことができた」と振り返る。「前兆現象で水槽が白濁してしまい、幼魚の取り上げがうまくいくか心配したが、幸い水面近くで生んでくれたのですぐにすくうことができた」とも。

 この日、生まれたシロワニの幼魚は、体長92.8センチ、体重5.1キロのメス。サメの飼育種類数日本一を誇る同館では2002(平成14)年の開館以来、シロワニの繁殖事業に注力しており、2021年6月17日に同館で誕生した国内初のシロワニの幼魚以来、2回目の繁殖成功事例となる。

 親個体は前回と同じペア。同じ親個体による2回の?殖成功事例は日本では初となる。親ザメは共に1999(平成11)年6月に同館に搬入されて以来、約24年間にわたり飼育されている。

 同館経営企画課の森島和也さんによると、シロワニは体長が3.2メートルにもなる大型のサメで、インド、太平洋、大西洋、地中海の温~熱帯域に広く分布。水族館での飼育・繁殖は困難とされているという。

 現在、バックヤード備蓄水槽でシロワニの幼魚の成長を見守っている。一般公開展示の時期は、幼魚の状態を見て判断していく。

 開館時間は9時~17時。入館料は、大人=2,300円、小中学生=1,100円、幼児=400円。

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