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水戸ホーリーホックのJ1昇格描く書籍出版 20年超取材のライターが執筆

書籍を手にする佐藤拓也さん

書籍を手にする佐藤拓也さん

 フリーライターの佐藤拓也さんによる書籍「水戸ホーリーホック 葵の奇跡」(廣済堂出版)が7月31日に発売された。

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 正式タイトルは「水戸ホーリーホック 葵の奇跡『弱小』からJ1昇格への苦難と歓喜の軌跡、そして未来へ」。2025年J2最終節での逆転優勝を経てJ1昇格を果たすまでのクラブ創設から31年の歩みを、選手やサポーター、クラブ経営陣、地元自治体など立場の異なる関係者の証言でたどる。佐藤さんにとって3冊目の著書となる。

 佐藤さんは札幌生まれの横浜育ち。青山学院大学を卒業後、一般企業を経てサッカーライターを志し、日本ジャーナリスト専門学校で学んだ。横浜FCのオフィシャルライターを経てフリーとなり、クラブの情報を発信するウェブマガジン「デイリーホーリーホック」代表として長く執筆している。2004(平成16)年、横浜FCから水戸に移籍した選手の取材で水戸を訪れたのが取材の始まりだった。

 水戸に関心を寄せた背景には、10代から応援していたチームの消滅経験がある。「企業ではなく地域に支えられたクラブがもっと増えるべきだと考えていた。当時の水戸は資金も環境も厳しかったが、地域に密着したクラブの姿が自分の理想と重なった」と振り返る。以来20年余り、クラブの歩みを間近で見つめてきた。

 執筆は出版社からの打診がきっかけ。書き留めていた原稿に新たな取材を重ね、約半年で一冊にまとめた。取材を進めるほど「関わった全ての人がヒーロー。強烈なリーダー一人で状況が変わったのではなく、その時々で関わった人たちが支え合い、困難を乗り越えて歩んできた。それがこのクラブの一番の魅力だと、書きながら再確認した」という。書籍では選手や監督の現場、クラブフロント、行政、サポーターの4者が支え合う「四位一体」の姿を描く。

 クラブの成り立ちにも光を当てる。「多くの人が知っているのはネット上で読める話。当時を知る人に取材して鮮明になった部分を伝えたかった」と語る。前身の時代を支えた水戸商業高校OBらの存在にも触れ、クラブに関わるさまざまな人に着目した構成にこだわった。

 タイトルの「奇跡」には2つの意味を込める。「昇格という事実だけでなく、クラブが存在し続けてきたこと自体が奇跡。何度つぶれてもおかしくなかった」と話す。副題の「そして未来へ」には「ここがゴールではない。まだまだこれからだという意思を込めた」と続ける。

 読んでほしい相手として、ファンやサポーターに加え、かつて水戸に関わった人や若い世代を挙げる。「時代の変化もあり、今は成功を早く求めがちだが、我慢強く乗り越える経験が組織や人を強くしていく。ばかにされても続けることが大きな成功につながるという、一つの体験記でもある。人生にプラスの活力を感じてもらえたら」と話す。

 今シーズン、初のJ1の舞台に立つクラブへの思いも語る。「J1に居続け、5年後のアジアという大きな目標に向かってほしい。過去の信念やアイデンティティーを大切にしつつ、前例にとらわれず失敗を恐れずトライを続けてほしい」と期待を寄せる。

 仕様は四六判264ページ。価格は1,980円。

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