水戸ホーリーホックが4月27日、ホテルテラスザガーデン水戸(水戸市宮町)で記者会見を開き、第30期決算と2031年までの中期経営計画を発表した。
第30期(2025年2月~2026年1月)の売上高は前期比4億1,800万円増の16億4,100万円となり、過去最高を更新。初めて16億円を超えた。広告料収入7億9,300万円、入場料収入1億7,000万円、物販収入1億5,500万円はいずれも過去最高で、営業利益は300万円、当期純利益は1,200万円で、4期連続の黒字を確保した。役員人事では、事業本部長の瀬田元吾さんが取締役執行役員に新たに就任した。
中期経営計画は「GO J1からGO ASIA」と題し、2031年までの到達点として売上高45億円超え、トップチームのAFCチャンピオンズリーグ出場、アカデミーの関東プリンスリーグ昇格を据える。小島耕社長は2020年7月の社長就任会見でも「J1昇格、いつかはアジアを目指す」と話していたが、当時はコロナ禍の経営危機が報道の中心となり、その目標は受け止められなかったという。「今日改めて、夢から現実に変えていきたい」と話す。
Jリーグのシーズン移行に合わせ、決算期を1月から6月に変更した。今期は2026年2~6月の5カ月決算となり、売上目標10億円、平均入場者数8500人を掲げる。2026/27シーズン(2026年7月~2027年6月)の売上目標28億円の内訳は、広告料収入15億円、入場料収入5億円、物販収入3億円、Jリーグ配分金3億円、その他2億円。広告料収入は4月27日時点で既に14億円を確保しているという。トップチーム人件費は10億円超を確保する方針。
ホームスタジアムは、これまで使用してきたケーズデンキスタジアム水戸(水戸市)から、笠松運動公園陸上競技場「水戸信用金庫スタジアム」(那珂市)に2026/27シーズンから移行する。今期5カ月決算で約1億円の改修費を計上し、6月までに整備を進める。Jリーグの「80%ルール」の枠内で、国立競技場での1試合開催も希望して申請しているという。新スタジアム構想は、引き続きホームタウン内の候補地選定や既存施設の改修案を検討する。
パートナー企業数は2019年の約150社から、270社超に拡大した。「J1の中でもパートナーになれる入り口の金額を相当安く設定しているため、値上げはせず、多くの地域の皆さんに応援いただきたい」と呼びかける。市民クラブとしての形態は維持する考えで、「私が社長を務める以上、市民クラブの形態を変えるつもりはない。地方市民クラブが輝くことが、日本のスポーツを強くする」と強調した。
PR大使など選手による地域活動は、7月にPR大使派遣ドラフト会議を行い、J1昇格後も継続する方針。小島社長は「Jリーグ60クラブの中で、選手がシーズン中に最も稼働するクラブであり続けたい」と話す。
2026/27シーズンに入った選手たちの戦いぶりについては、「数年前まではJ1に行けなかった選手たちが、これだけの結果を出してくれている。サッカーの可能性は無限大」と評価。組織面では「自走する組織への移行を進めている。社員が自分たちで判断し、最終責任は私が取る形にしていきたい」と話す。
クラブの目指す姿については「新スタジアム実現も含め、クラブ単体ではなく、地域に風が起きるようなクラブになることが一番大事」と話し、クラブが大切にする価値として「夢と感動、一体感の共有」を挙げる。「地方市民クラブの持つ可能性を日本スポーツ界、サッカー界へ表現し、豊かな地域文化の実現や日本社会の未来へ向け一石を投じる存在になりたい」と先を見据える。