AIロボット開発の株式会社Closer(代表取締役:樋口翔太、本社:茨城県つくば市、以下「クローサー」)は、不定形物バラ積みピッキングにおいて業界最速*となる技術を搭載した小袋移載ロボット「PickPacker(ピックパッカー)」を開発し、株式会社デリモが運営する麺惣菜ラインへ導入いたしました。
なお、本取り組みは、一般社団法人日本惣菜協会(東京都千代田区、会長:平井浩一郎)が主体となり推進している令和6年度「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」(食品分野)の一環として進められており、業界初となる「麺惣菜盛付工程統合ロボットシステム」の開発・現場実装にも寄与しています。
本プロジェクトの概要
本プロジェクトは、一般社団法人日本惣菜協会が主体となり推進している令和6年度の経済産業省「革新的ロボット研究開発等基盤構築事業」に採択されたプロジェクトのひとつで、中小企業を含むあらゆる惣菜メーカーが安価にロボットシステムを導入し、盛付工程を自動化するためのロボットフレンドリーな環境実現を目指すものです。
クローサーはトップ技術を持つベンダー企業の1社として参画し、他のベンダー企業と連携することで、業界初*? の麺惣菜盛付全工程のロボット化を実現した「麺惣菜盛付工程統合ロボットシステム」の開発、現場実装を行いました。クローサーは、主にめんつゆ投入工程である、小袋移載ロボットを担当しました。
株式会社デリモに開発・現場導入した麺惣菜盛付工程統合ロボットシステム
経済産業省プレスリリース
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/robot/250318_seikahoukokukai.html
一般社団法人日本惣菜協会プレスリリース
https://www.nsouzai-kyoukai.or.jp/news/pr20250318
小袋移載ロボットPickPackerについて
導入事例動画:株式会社デリモ様
https://www.youtube.com/watch?v=cizQV_hT3iI
業界最速*の不定形物バラ積みピッキングを実現
食品産業、特に惣菜工場を中心に、食品のような個体差や形状が変化する不定形物の盛付作業は、自動化が困難であり人手に依存しているのが現状です。今回の対象である「めんつゆ」も、このような不定形物の一つであり、人手によって盛付作業が行われています。
このような不定形物バラ積みピッキングを現場で実装するには、現状の生産ラインに導入可能な「小型」であり、人に近いレベルの「高精度」、これに加えて人に近いレベルの「生産能力(スピード)」にする必要があり、これらはトレードオフの関係にあり、全体の性能を向上させるには高い技術力が必要になります。
クローサーはこれらを両立させた、業界最速*(常時1200食/時間)の不定形物バラ積みピッキングを実現しました。
不定形物バラ積みピッキング
本システムを実現するクローサーの技術要素
3DビジョンAI:不定形状の小袋の認識に特化させた3DビジョンAIを開発し、高速かつ高精度な認識精度を実現しました。この技術は他の不定形状物体の認識にも応用可能です。
高度なロボット制御:3DビジョンAIや各種センサと密に連携し、瞬時に計算する高度なロボット制御技術により、高速な小袋投入を可能にしました。これらのシステム連携およびロボット制御は、クローサーが開発するロボットソフトウエア基盤(OS)上で動作することにより実現しています。今回の開発では、セイコーエプソン株式会社の協力のもと、クローサーのロボットソフトウエア基盤(OS)とロボットアームの接続を行い、高度なロボット制御を実現しました。
3DビジョンAI
高度なロボット制御
今後の展開
クローサーは、本導入を皮切りに、PickPackerのさらなる小型化・高精度化・高速化に向けた研究開発を進めてまいります。また、本ロボットは、2025年6月開催の「FOOMA JAPAN 2025」にて、実機を展示予定です。
* 当社調べ、めんつゆのような不定形物の多重のバラ積みにおけるピッキング
*? 一般社団法人日本惣菜協会調べ
会社概要
株式会社Closerは、ビジョンである「ロボットを当たり前な選択肢へ」を目指す筑波大学発AIロボティクスカンパニーです。自動化の進みにくい食品産業や中小規模の生産ラインを対象に、労働力を補完するロボットを研究開発・提供しています。
社名 :株式会社Closer
代表者:樋口 翔太
設立日:2021年11月29日
本社 :茨城県つくば市天王台一丁目1番地1産学リエゾン共同研究センター棟202
会社HP:https://close-r.com/
連絡先: info@close-r.com