
左から順に、本田哲郎取締役、丸島愛樹代表取締役、小林克利取締役
脳と臓器を護る高分子医薬(※1)の創薬を目指すCrestecBio株式会社(本社:茨城県つくば市、代表取締役/CEO 丸島 愛樹)は、シードラウンドの1st closeと2nd closeを合わせ、総額2.5億円の資金調達を実施いたしました。本ラウンドでは、UntroD Capital Japan株式会社が運営する「リアルテックファンド4号投資事業有限責任組合」、国立研究開発法人科学技術振興機構、株式会社ケイエスピーが運営する「NextG 投資事業有限責任組合」、株式会社Newsight Tech Angelsが運営する「NTA投資事業有限責任組合」を引受先とした第三者割当増資を実施しました。
CrestecBioは筑波大学で研究された高分子医薬を医薬品として開発するために、2021年12月に創業した筑波大学発ベンチャー企業です。虚血性脳卒中に対する神経保護薬の開発を中心に、候補化合物と疾患パイプラインの拡大を進めてきました。
今回の資金調達により、当社の事業開発パイプラインにおいて先行している虚血性脳卒中に対する神経保護薬「CTB211」の臨床試験開始に向け、非臨床試験および治験薬の製造準備等を加速させて参ります。
また、開発体制およびガバナンスのさらなる強化を目的として、2026年4月1日付で取締役会設置会社へ移行いたしました。新たに小林克利氏を取締役に迎え、代表取締役の丸島愛樹、取締役の本田哲郎、監査役の武田泉穂を含めた新経営体制を構築いたしました。これにより、経営基盤をより強固なものとし、研究開発のスピードを一層加速させて参ります。
(※1)高分子医薬:ミセルを形成することにより粒子様の形態をとる高分子ポリマーによる医薬品。ポリマーの持つミセル形成能によって粒子となることで、血中滞留性・組織滞留性・安全性が向上し、効率よく活性酸素種(ROS)を除去する。
今回のラウンドでご出資いただいた投資家さまのコメント
機械的血栓回収療法の浸透により、従来救うことが出来なかった多くの急性期脳梗塞の患者さんの救命が可能となりました。しかしながら救命のための血栓除去に伴い生じる血液の再灌流障害防止は依然として課題が残り、血栓回収療法を受けた患者さんの多くが何らかの身体の機能障害を負っています。CrestecBioが開発する「CTB211」を通じた、患者さんご本人、ご家族の生活、また社会全体の医療費に対し多大な悪影響を及ぼす急性期脳梗塞治療に伴う再灌流障害の低減を目指し、投資家として支援をして参ります。
血栓回収療法が普及して以降、虚血性脳卒中による死亡率は低下していますが、依然として再灌流障害による機能障害といった後遺症に苦しむ患者さんが多く存在するのが実情です。CrestecBio社が開発を目指す「CTB211」により、このような後遺症のリスクが低下し、患者さんのQOLが向上することを期待しています。また、同社の創薬研究にはJSTの創発的研究支援事業の研究開発成果も活用されています。同社の開発する医薬品の実用化を通して、JSTの研究開発成果が社会に還元されるよう、株主として支援して参ります。
脳虚血性疾患の予後改善という重要課題に対し、独自のアプローチで挑戦するCrestecBio社に共感し、今回の投資を決定しました。カテーテルにより血栓末梢側へ薬剤を送達する同社の手法は、脳血管領域の臨床知見を活かした独自性の高い取り組みです。予後不良が医療リソースに大きな影響をもたらす課題の解決に向け、同社の成長を支援してまいります。
このたび、前回投資のJ-KISS転換と同時にフォローオン投資させていただきました。同社の事業進捗および今後の成長可能性は非常に高く、将来に高い期待を示すものです。
同社は、独自性の高いモダリティを基盤とした創薬アプローチに加え、各領域において高い専門性を有するバランスの取れたチームを構築しています。ターゲット領域は今後の成長が期待される市場であり、グローバルでの競争力を有するポテンシャルを持つと考えています。
資金面での支援にとどまらず、我々の創薬開発に関する専門知識やネットワークを活用しながら、同社の事業成長および研究開発の加速に向けて、継続的に支援してまいります。
CrestecBio株式会社 代表取締役 丸島 愛樹 コメント

代表取締役 丸島 愛樹
このたび、CrestecBioはシードラウンドにおいて総額2.5億円の資金調達を実施することができました。ご支援いただいた投資家の皆様、弊社顧問・アドバイザーの皆様、そして今回の調達の契機となりました「AMED大学発医療系スタートアップ支援プログラム(筑波大学拠点)」に関わる皆様に、心より感謝申し上げます。
私はこれまで脳神経外科医・救急医として、20年以上にわたり脳卒中患者さんの治療に最前線で携わってきました。血栓回収療法によって血流を再開できても、その後の再灌流障害によって十分な機能回復に至らない患者さんを数多く目の当たりにし、「脳を護る治療」の必要性を強く感じてきました。筑波大学での研究を通して、私はこの大きな課題の解決に挑戦できることを確信し、CrestecBioを創業いたしました。
今回調達した資金を活用し、虚血性脳卒中に対する神経保護薬CTB211の臨床試験開始に向けた非臨床開発、製造開発、規制対応をさらに加速してまいります。臨床医・研究者としての経験を最大限に活かし、実際の医療現場で必要とされる医薬品を患者さんへ届けるため、着実に開発を前進させてまいります。
弊社が開発する高分子医薬は、脳卒中を突破口とし、将来的には様々な酸化ストレス関連疾患への応用展開が期待される新しい創薬モダリティです。「脳と臓器を護る高分子医薬」のCrest(頂)を目指し、皆様からのご期待とご信頼に応えられるよう、メンバー一同、誠実に挑戦を続けてまいります。
<虚血性脳卒中に対する神経保護薬CTB211について>
脳卒中の年間発症数は日本で約30万人、アメリカで約80万人に上り、死因としては日本で第3位、世界で第2位となっています。
現在、虚血性脳卒中に対する再開通治療(血栓回収療法)は、 有効性の高い治療法として、2015年から急速に普及しています。 しかし、患者の転帰を改善させる有効性の高い治療法ではあるものの、この治療法を受けた患者さんの50%以上は、依然として要支援・要介護または寝たきり・死亡に至るなど、転帰不良であるという大きな課題が残されています。
再開通治療(血栓回収療法)で十分な効果が得られない主な原因は、再開通後に生じる活性酸素種(ROS)による脳虚血再灌流障害と考えられており、これが脳梗塞・脳浮腫の増悪や頭蓋内出血を引き起こすものの、現時点で有効性が認められ、国に認可された治療薬はありません。
CTB211は、粒径20~30 nmのミセル構造の高分子であり、活性酸素種(ROS)を消去することで神経細胞を保護する効果が期待されており、また非臨床試験でも有効性が確認されています。当社の高分子医薬は、病巣・組織・細胞内で高い薬効持続性と安全性を有し、「脳と臓器を護る高分子医薬」医薬品として、虚血性脳卒中のみならず幅広い疾患への応用ポテンシャルを秘めています。
<CrestecBio株式会社 概要>
本社:茨城県つくば市吾妻二丁目5番地1
代表者:丸島 愛樹
設立:2021年12月
HP:
https://crestecbio.com
<本件に関するお問い合わせ>
CrestecBio株式会社
E-mail:contact2026a@crestecbio.com