
発達支援テクノロジー推進協議会(主幹事:PAPAMO株式会社 代表取締役・橋本咲子)は2026年8月28日(金)、衆議院第二議員会館にて「不登校から考える次世代AIと共創する人間・社会のあり方」をテーマとしたイベントを開催いたしました。対面・オンライン合わせて約50名の議員・自治体・教育関係者・民間事業者が参加しました。
文部科学省の調査によると、2024年度の小・中学校の不登校児童生徒数は35.4万人と12年連続で増加し、過去最多となりました。その背景要因の第2位(約31%)として「発達障がいの診断・疑い」があることが指摘されています。(出典:文部科学省「令和6年度 文部科学省委託事業不登校の要因分析に関する調査研究報告書」)
PAPAMOが実施した調査でも、発達特性のある小中学生の61.5%が学校への行き渋りや欠席を経験しており、不登校の経験割合は全体平均の9.5倍の35.5%と極めて高いことが明らかになっています。特に9月は夏休み明けという大きな環境変化のタイミングで、行き渋りや欠席が増加する傾向にあります。(出典:PAPAMO株式会社「令和7年 不登校に関する調査」)
本イベントでは、これらの課題に対し、テクノロジーを活用して「困り始めた段階」で支援を届ける仕組みや、AI時代における人間の学びのあり方について参加者が多角的な議論を交わしました。
元財務相・加藤勝信氏が早期対応に期待、鈴木英敬議員は支援体制の拡充を明言

国政の立場からは、不登校対策の最前線が語られました。
加藤勝信 元財務大臣は、コロナ禍で登校できなくなって以降、不登校が大幅に増えている現状に強い懸念を表明。早期に手をかけることで復帰の可能性が高まるとし、テクノロジーを駆使しながら早期の対応が議論されていくことへの期待を寄せました。

衆議院議員 鈴木英敬氏は政府・与党が進める不登校対策の具体的な取り組みについて説明。令和7年に設立された不登校対策プロジェクトチームにおいて、不登校の低学年化(小学1・2年生での増加)などの現状を踏まえ、いじめ・不登校対策に100億円の予算を計上していることなどを報告しました。
鈴木氏は「生まれた地域によって選択肢に差がある地域格差はなくすべき」として、国の責任の下でベースとなる支援を行う方針を明言。GIGAスクール構想の1人1台端末を活用した心の状態の早期把握のほか、政府としては「校内教育支援センター」の支援員配置を最重要として、令和8年度に対象校数を現状の2,000校から4,000校まで増やしたことを紹介しました。さらに今後7,000校まで増やす概算要求を文科省が出していることを発表。「学びの多様化学校」の未配置都道府県への設置働きかけなど、多様な学びの場を確保する方針も示しました。
つくば市長・五十嵐立青氏が登壇。「オンライン療育」の効果を強調、公費対象化を国に要望

本協議会からは、つくば市とPAPAMOが共同で実施した「オンライン発達支援サービス」の実証実験(対象:小学1~3年生100人)の成果を発表しました。
参加者の35%が不登校や行き渋りの状態である中、理学療法士・作業療法士の専門職による月2回のオンライン個別療育を実施した結果、国際的な作業療法指標「COPM」において、標準の「1年で+2」を大きく上回る「半年で+4」の改善を実現。文字が書けなかったお子さんが書けるようになるなどの変化や、「1年間不登校だった児童が3ヶ月で前向きに登校し始める」といった事例も共有し、対面支援の届かない「支援の空白期間」を埋める有効な手立てであることを示しました。
トークセッションに登壇した五十嵐立青 つくば市長は、「不登校と発達障害は関連性が強い」と指摘した上で、「実証実験の最初の3ヶ月で、子どもたちが『やってみたい』という気持ちを引き出され、のびのびと動いていた」と成果を強調。不登校の児童を無理やり学校に戻すのではなく適性に合わせた場を用意し、専門家が見立てを立てる重要性を述べ、「自治体の財政状況にかかわらず、オンライン療育を公的支援制度の対象にしてほしい」と国へ強く訴えました。
為末大氏が語る「AI時代の身体性と経験」社会全体で子どもを育む仕組みへ

東京大学先端科学技術研究センター教授の為末大氏は、教育の意義について1.食べていける大人になること2.仲間と仲良くやっていけること3.その子らしく生きられることの3点に整理し、どの観点を重視するかで打ち手が変わると解説。その上で、紙の教材が読みづらい子どもを音声で支援するなどAI・デジタルをうまく掛け合わせることの重要性を指摘しました。
一方で、AIが台頭する中で直観や身体からくる情報を察知することが重要で、実際に身体を使ったメンタルトレーニングに効果があることを紹介しました。さらに自身のPTA活動の経験を踏まえ、子どもの問題を学校だけに背負わせず社会全体で支援する必要性も指摘。社会全体でのサポートのあり方を考えたいと述べました。
株式会社すららネット執行役員の佐々木章太氏は、子どもが仕組みに合わせるのではなく、子どもに合わせた仕組み作りの必要性を指摘。また、選択肢は提供でき始めているが、届けることに課題があり、作ることと届けることを同時に進める必要があると提言しました。
療育施設利用に数年・数百人待ちの150万人待機問題

本協議会のメンバーからは、現場の深刻な実態が共有されました。リハビリ・フューチャーズ代表の里宇文生氏は、通常学級にも「ことば・コミュニケーション」「読み書き・学習」「運動・協調」といった困難を抱える児童が一定数おり、これらが同じ子どもにオーバーラップしていると指摘。困難による失敗経験の積み重ねが二次的な心理・社会的困難につながるため、困り始めた早期段階からのオンライン介入が重要だと強調しました。
本協議会主幹事の橋本咲子は、全国で約150万人が療育施設の潜在的な待機状態にあり、「療育を利用するために数年待ち・数百人待ち」という悲鳴のような声が多い現状を報告。アクセスの平等性だけでなく、専門職不足やコスト面の問題も解決するオンライン療育を公費対象としてほしいという保護者の切実な声を訴えました。
参加議員からの共感と今後の政策反映へ
質疑・意見交換で衆議院議員 斉藤りえ氏は「SNSの影響も非常に大きくなっている」と指摘。継続的な意見交換の機会を求めました。また、衆議院議員 森原紀代子氏は自身の経験を振り返り、「親のバイアスに振り回されず専門職の客観的な介入を受けることで子どもの未来が変わる」と実感を込め、本日の知見を今後の政策立案に直接繋げていく意気込みを語りました。
開催概要
イベント名「不登校から考える次世代AIと共創する人間・社会のあり方」
日時:2026年8月28日(金)12時00分-13時30分
主催:発達支援テクノロジー推進協議会
会場:衆議院第二議員会館 第8会議室
参加者:対面・オンライン含め 約50名
プログラム:
開会:本会の趣旨説明
・発達支援テクノロジー推進協議会 主幹事 橋本 咲子
現状共有:不登校の背景・要因の一つとしての発達特性
・発達支援テクノロジー推進協議会 主幹事 橋本 咲子
・発達支援テクノロジー推進協議会 リハビリ・フューチャーズ 代表 里宇 文生
・発達支援テクノロジー推進協議会 株式会社すららネット 執行役員 佐々木 章太
・発達支援テクノロジー推進協議会 株式会社ナーシング 代表取締役 鈴木 由紀子
・発達支援テクノロジー推進協議会 DFree株式会社 代表取締役 中西 敦士
報告:現在の政府・与党の取組についてご説明
・衆議院議員 鈴木 英敬
トークセッション:日本における不登校を取り巻く環境と改善に向けて
・つくば市長 五十嵐 立青
・東京大学先端科学技術研究センター教授 為末 大
・株式会社すららネット 執行役員/子どもの発達支援室室長 佐々木 章太
・モデレーター:発達支援テクノロジー推進協議会 主幹事:橋本 咲子
ネットワーキング・交流
閉会
発達支援テクノロジー推進協議会 概要

名称:発達支援テクノロジー推進協議会
発足:2026年3月(2026年3月19日 記者会見にて公表)
主幹事:PAPAMO株式会社 代表取締役 橋本 咲子
所在地:東京都渋谷区神泉町20番21号 クロスシー渋谷神泉ビル 6-20
事務局:発達支援テクノロジー推進協議会 事務局(PAPAMO株式会社内)
公式サイト:https://hattatsu-shien-tech.jp/
PAPAMO株式会社について

社名:PAPAMO株式会社
本社所在地:東京都渋谷区神泉町20番21号 クロスシー渋谷神泉ビル 6-20
代表取締役:橋本咲子
事業内容:運動×テクノロジーによる発達支援サービス「へやすぽアシスト」の開発・運営など
設立: 2021年4月1日
HP:https://papamo.net/official/
Instagram:https://www.instagram.com/heyasupo_official/
YouTube:https://www.youtube.com/@heyasupo_hattatsu
運動×テクノロジーによる発達支援サービス「へやすぽアシスト」について

「へやすぽアシスト」は、運動による発達支援をテクノロジーを活かして提供するサービスです。
累計3万件以上の指導データを蓄積しており、レッスン前にヒアリングした課題と実施したレッスン、その成果までデータベース化。その知見をもとに1,000以上のプログラムから最適なレッスンを提案します。
レッスンプログラムの開発は、発達支援のプロである理学療法士・作業療法士が中心となって行い、データに基づいて一人ひとりに合わせた質の高い支援を実現しています。レッスンは、オンラインでマンツーマンで行うため、家庭にいながら安心して受けられることも特長で、会員継続率は97%を誇り、多くのご家庭に支持されています。
へやすぽアシスト 体験お申し込み:https://papamo.net/official/