菓子工房SAKABA(阪場製菓、ひたちなか市湊本町)の「カステラのフルーツサンド」が7月10日、販売5年を迎えた。
同店は1912(明治45)年創業。那珂湊おさかな市場の近くで、地元養鶏場の卵を使ったカステラを70年以上焼き継いできた老舗。3代目から洋菓子も手がけるようになった。現在はパティシエで4代目の阪場孝正さんが、妻の奈津希さんや家族とともに切り盛りする。
「カステラのフルーツサンド」は、同店の看板商品のカステラに生クリームと旬のフルーツを挟んだもの。断面を上に向けて立てた立体的な見た目で、使うフルーツや季節によって540円~で販売する。
販売は2021年7月10日。那珂湊の語呂にちなんだ「3710(みなと)の日」に合わせて売り出した。コロナ禍で売り上げが落ち込む中で開発したという。奈津希さんは「以前は地元の年配客が中心だった。若い世代にもカステラを知ってほしい」と考える中で、生クリームが苦手な人でも食べやすいよう、カステラと組み合わせることを思いついたという。
素材は国産を基本とし、できる限りひたちなか市産にこだわる。ひたちなか産のブランドいちご「バインベリー」や、市内の農家が育てるブルーベリー、地元養鶏場の卵などを使い、生クリームは甘さを抑えた独自ブレンドにした。季節限定の品も並べる。奈津希さんは「箱を開けた瞬間に笑顔になれる、目も口も心も満たす一品にしたかった」と話す。
販売を機に会員制交流サイトでの発信を始め、手描きの看板も掲げた。今では県外からのリピーターやサイクリストも訪れるようになったという。2024年には、県産食材を使ったご当地グルメを選ぶ「シン・いばらきメシ総選挙2024」のスイーツ部門でファイナリストに選ばれ、新型コロナ禍に売り出したハーフサイズのパッケージは「いばらきデザインセレクション2024」で知事選定を受けた。
奈津希さんは「地元の名物として続けてきたカステラを、新しい形で県外の人にも届けられるようになった」と5年間を振り返る。「これからも季節ごとの味や、物語性のある土産物として広げていきたい。食べた人が笑顔になれる菓子を作り続けたい」と話す。
営業時間は9時~18時。火曜・水曜定休。