水戸啓明高校商業科1年生の小林悠槻(ゆづき)さんと山口七星(ななせ)さんが6月29日、日商簿記検定3級に合格した。
同校教諭の金澤信幸さんによると、同校の1年生が6月に同検定に合格するのは25年ぶりのことという。2人は2026年4月の入学直後から簿記の勉強を始めた。小林さんは「将来に役立つ資格を取得したい」、山口さんは「将来の仕事のために、今のうちから社会で役立つ知識や資格を身に付けたい」という動機を胸に簿記・珠算部へ入部。部活内での学習と、1日1~2時間の自主学習を地道に積み重ねた。小林さんは「勘定科目の判断に迷うこともあったが、先生方に教わりながら繰り返し解くことで分かるようになった」と振り返る。合格した2人は「うれしかった」と笑顔を見せ、今後の目標についてはそろって「次は簿記2級、そして1級を目指す」と意気込む。
2人の合格を支えたのは、同校教諭で簿記・珠算部顧問の金澤さん、同部指導教諭の溝井広也さんと平山哲也さんの3人。合格の鍵となったのは、金澤さんらが過去に作成したドリルを基に、現在の試験範囲に合わせて再編成した「60段階のオリジナルプリント」だった。平山さんが基礎から丁寧に解説して知識のアウトプットを徹底し、続いて溝井さんが模擬問題を使った反復演習で基礎を定着させ、最後に金澤さんが応用問題の対策を行うという3人体制で細やかにサポートした。溝井さんは「私たちが教えたことを2人が素直に受け止め、自分たちでしっかりと努力を重ねた結果。その頑張りがあったからこそ」とたたえる。平山さんと溝井さんは共に同校の卒業生で金澤さんの教え子に当たり、平山さん自身も25年前の1年生当時、金澤さんの指導の下で同検定に合格したという縁もある。
簿記を学ぶ意義について、平山さんは「結果をまとめる処理は人工知能(AI)ができても、それをどう生かすかという読み方や提案には簿記の知識が必要不可欠。社会に出てからの道の幅が広がる」と話す。溝井さんも「単に履歴書に書けるだけでなく、大学進学や就職など進路の選択肢が大きく広がる。簿記を通して社会やお金の仕組みを学ぶことは、将来の夢を実現し、自分自身の人生を豊かに切り開くための大きな力になるはず」と力を込める。長年生徒を指導してきた金澤さんは「簿記の学習を通して『諦めずに続ければ結果が出る』ということを学んでほしい。2人にはこれからも自分なりのペースを大切にしながら、悔いの残らない進路を選び、将来の目標を実現してもらえたら」とエールを送る。